コラム 子育てのこと 心のケア

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両親とこどもでレジャーに出かける家族を見ると、落ち込む

医学博士 山下あきこ

観光地で家族にカメラを向ける父親と、こどもを抱っこする母親。ふたり親の家庭なら普通なのでしょうが、ひとり親の母はレジャーに行ってもワンオペで自分の写真は撮ってもらえません。そんなとき「いいよねぇ、楽しそうで・・・」と、やりきれない気持ちになるかもしれません。

そんなときは、視点を少し変えてみましょう。

今見えている幸せそうな家族の姿は、その家族の暮らしのたった数秒のワンシーンです。自宅に戻れば、また別の場所では、その家族なりの苦労や問題を抱えているかもしれません。

他人のよく見える姿は、いいところだけをトリミングした画像のようなものなのです。
誰かと比較して、今あなたにないものに注目し続ける限り、落ち込む気持ちは変わりません。
今、幸せに感じることはなんですか?「ご飯が食べられること」「文字を読める目があること」「愛するこどもと一緒に暮らせること」数えきれないほどの幸せが身の回りにあふれていることに、気づくでしょう。

過ぎ去ったことも、別の家族のことも、まだやってこない明日も、今この瞬間の幸せを奪い去ることはできません。「ああ、今、幸せだ。」そう感じようとするだけで、いつでも私たちは幸せになれるのです。
 

この記事を書いた人

医学博士 山下あきこ 株式会社マインドフルヘルス代表
 
医学博士、神経内科・内科医師。二児の母。病気を治すより、健康づくりを行うことを決心し、病院を辞めて会社を設立。マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という要素を軸にセミナーや本の執筆を行っている。