2024.11.06
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離婚後のストーカー被害、どう対処したらいいの?
離婚が成立した後に、元配偶者からつきまといや過剰な連絡等の行為を受けるケースがあります。自身や子どもの身を守るために、どのような対応がとれるのでしょうか?
1.どこからが離婚後のストーカー被害になるのか?
離婚後のストーカー被害とは、元配偶者があなたの意思に反して反復して行われるつきまとい、待ち伏せ、過剰な連絡や嫌がらせ行為を指します。具体的な例として、以下のような行為があります。
待ち伏せ:自宅や職場の近くで頻繁に見かける、子どもの学校帰りを待ち伏せする、スーパーや駅など日常的に利用する場所で偶然を装って接触を図る。
SNSでのメッセージ:FacebookやInstagramなどのSNSで、繰り返しコメントやメッセージを送り続ける、プライベートな写真に対して執拗にコメントする、匿名アカウントから嫌がらせのメッセージを送る。
重要なのは、以上の行為が一度ではなく反復して行われることで、被害が深刻化する傾向がある点です。
2.ストーカー被害を受けた場合にまず何をする?
ストーカー被害を受けた場合、以下の手順に従って対応することが推奨されます。
証拠の収集:つきまといや待ち伏せの写真や動画、メールやSNSのメッセージのスクリーンショットなど、被害の証拠を確実に集めて保存しましょう。
警察に相談:最寄りの警察署に行き、被害届を提出します。警察に相談する際には、収集した証拠を持参し、被害の具体的な状況を詳しく説明しましょう。警察は状況に応じて、警告や禁止命令を出すことができます。
専門の相談窓口に連絡:専門のカウンセラーが具体的な対応方法や心理的サポートを提供します。
3.ストーカー被害に関して相談できる窓口は?
福岡では、以下の窓口でストーカー被害について相談することができます。窓口では、ストーカー被害に関する具体的なアドバイスや支援を受けることができます。
福岡の各警察署(詳細は各警察署のHPをご参照ください)
・女性の人権ホットライン(法務省 福岡法務局)
連絡先電話番号:0570-070-810
・女性サポートホットライン(女性相談支援センター)
連絡先電話番号:070-4442-3893
・福岡県弁護士会
所在地:福岡市中央区六本松4丁目2番5号
連絡先電話番号:092-741-6416
4.元配偶者からのストーカーから自分自身と子どもを守る方法は?
ストーカー被害については、相談窓口を活用して早期に解決を図ることが重要ですが、元配偶者からのストーカーから自分自身と子どもを守るためには、以下の対策を講じることも有効です。
居住地や生活圏の見直し:可能であれば、居住地を変えることで元配偶者に居場所を知られにくくします。また、日常の行動パターンを変えることも有効です。
連絡先の変更:電話番号やメールアドレス、SNSのアカウントを変更し、元配偶者との連絡を絶ちます。
防犯グッズの活用:防犯カメラや緊急通報装置を導入し、万が一の際に迅速に対処できる体制を整えます。
子どもの安全確保:学校や保育園と連携し、元配偶者が無断で子どもに接触しないようにするための対策を講じます。
公的機関での住所秘匿:区役所や市役所で住民票の閲覧制限を申請することで、住所を元配偶者に知られないようにすることができます。
3に挙げたように定期的に警察や専門の相談窓口と連絡を取り合い、最新の情報やアドバイスを受けることも重要です。離婚後のストーカー被害は、心理的にも物理的にも大きな負担となります。しかし、早期に対策を講じることで、被害を最小限に抑え、自分自身と子どもの安全を守ることが可能です。被害を一人で抱え込まず、早めに行動しましょう。
弁護士 坂本志乃 弁護士法人Nexill&Partners (旧:弁護士法人菰田総合法律事務所)
福岡県福岡市出身。九州大学法科大学院修了後、2016年弁護士登録。同年に弁護士法人菰田総合法律事務所入所。入所当初から離婚や相続等の家事事件を中心に経験を積み、中小企業支援に業務分野を広げ、現在は企業労務に注力している。