コラム 心のケア 支援・サポート

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子どもに学びの大切さを教えるために

NPO法人 田口吾郎

2014年に無料で学習できる「マナビバ」を開設してから現在まで、延べ数万人の子どもたちが様々な「マナビバ」で学んでいます。
毎日のように保護者の方から、「子どもたちの勉強時間が少ない」「学習に対する意欲がない」という相談をお聞きします。
相談をお聞きしている中で、私が感じていること、考えていることをこの場で皆さんに共有できればと考えています。

1.すべての子ども達が学習で成果をあげる力がある
私たちが運営している「マナビバ」には、もともとは、経済的な課題を抱えている子どもたちのための学習の場でしたが、発達障がいを持たれている子どもたち、外国籍で日本語が習得できていない子どもたち、学校に参加できていない子どもたちなど、多くの子どもたちが参加しています。
子どもたちはそれぞれ違いますし、学習効果も差はありますが、そのすべてに共通することは、学習すればできるようになるということです。

2.学習は嫌いだという子どもは存在しない
学習は嫌いだという子どもをあまり見たことがありません。しかし、勉強が嫌いだという子どもたちは、勉強が好きだという子どもたちより圧倒的に多い気がします。そもそも皆さんがイメージされている勉強は、学習と同じように、学んだり習ったりして知識を習得することという印象があるかもしれませんが、実は違います。勉強の意味は、「無理にでも努力して励む」という意味があります。ストレスが生じた場合、大人と違い、子どもたちは時間やお金を自由に使うことが難しいために、ストレスを抱え込んでしまいます。それでは、勉強が嫌いになっても仕方ないかもしれません。

3.学びの大切さを教えるためには 
保護者や教育者が子どもたちに学習効果を望むのであれば、子どもたちが何かを学ぶ中で、何らかのうまくいかない要因やストレスを整理し対応する必要があります。
そして、学ぶことにチャレンジして結果が出なかったとしても、そのチャレンジする姿勢や努力を褒めてあげてください。
その場でうまくいかなくても褒められた子どもたちは、またチャレンジします。その継続性や反復性が学習効果を生みます。その経験の中で、子どもたちは学ぶ大切さを習得していくのだと思います。

この記事を書いた人

 

田口吾郎 NPO法人いるか理事長

 

一般社団法人全国子どもの貧困・教育支援団体協議会 理事
福岡県こども食堂ネットワーク 理事
子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば 評議員