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子育て中の困りごとを起業のアイデアに

40代 女性

大学生と高校生の息子をもつシングルマザーです。長男の子育てをしながら働いている時に、こどもの病気などで気を遣うことが多く、自分のペースで働ける起業を考えるようになりました。そこで、次男の出産・育休中に行政書士の資格を取得。次男が1歳になる頃に離婚して、両親の住む福岡に帰って来たのを機に行政書士として独立しました。福岡は転勤族だった親の家があった場所で、私の知り合いはいない場所。仕事の依頼をもらうためにあちこちに顔を出したり、営業をかけたりしてクライアントを開拓するのは大変なことでした。その頃、行政書士として行っていた仕事のひとつに、起業を目指す方のサポートがありました。女性向けの起業相談や交流会などを通してさまざまな方と話しているうちに、私自身も何か新しい仕事を始めることができるのではと思うように。行政書士としての仕事に加え、収入のベースアップを図りたいという思いもありました。

もうひとつの仕事として始めたのは、おねしょガードズボンの開発です。長男が毎日のようにおねしょを繰り返し、布団を洗ったり着替えさせたりすることの大変さに疲れ、つい怒ってしまって自己嫌悪、長男のおねしょも治らないという悪循環に陥っていました。ベビー向けのおねしょ対策アイテムは市販のものも多いのですが、こども用は選択肢が少なく、だったら自分で作ってしまおうといちから制作をスタート。素材や機能性、デザインを考慮し、縫製工場を探して少量から生産を始めました。ネットショップを立ち上げて販売したところ多くの反響があり、事業としてやっていけるのではと思うように。しばらくは行政書士の仕事も並行して行っていましたが、介護用品やリラクゼーションアイテムの開発も手掛けるようになり、現在はこちらの仕事がメインになっています。

子育てをするなかで、起業してよかったと思ったのはこどもとの時間がゆっくりとれるようになったことです。家の中で仕事をしているので、こどもの具合が悪い時もそばにいられますし、こどもが悩んでいる時もじっくりと向き合うことができます。また、こどもに働く姿をそばで見せられたことも、きっといい影響があるのではないかと思っています。

私の場合はうまく回っているので起業してよかったと言えますが、事業を始めるというのは本当に大変なことです。何から何まで自分で考えて行動する必要がありますし、経済的な不安もあります。でも、その分メリットややりがいもあるので、自分に向いていると思った方は考えてみてもいいかもしれません。また、子育て中に困りごとがあった時は、悲観するのではなく「この解決方法を見つけたら起業のアイデアになるかも?」と発想を転換して楽しんでみてください。起業をしないにしても、そういった意識をもっていると気持ちも前向きになると思います。