2023.09.18
ページ番号:158
子どもにつらくあたってしまうときの対処法
「また怒ってしまった…」そんなふうに感じる時、苦しいですよね。冷静に優しく対応したいのに、そうできない自分にがっかり。子どもにつらくあたってしまうと、後で自分もつらくなり、家族の雰囲気に悪影響が出ることもあります。
そんな時のおすすめ対処法は、『ストップ』『矢印』『氷』がキーワード。自分の感情を抑え込むのではなく、自分自身を優しくケアする方法です。
ストップ:つらくあたる前、子どもに対して何か言いたい気持ちが心の中でムクムクと膨れ上がると思います。言葉を口にする前にストップして深呼吸しましょう。少しその場所から離れ、トイレやベランダに逃げてもいいでしょう。
これができたら、もう90%成功です。つらくあたる場合の多くが、「とっさに言ってしまう」のです。言葉にする前に、言おうとしている自分に気づくことがとても重要です。
矢印:イライラしている時、あなたの意識はどこに向かっていますか?意識の矢印が子どもの態度や行動に向かっていたら、イライラ感情は膨れ上がる一方です。子どもに向かっている矢印の向きをぐいっと自分の方に曲げるようなイメージで、自分の感情や様子に意識を向けてみましょう。斜め上からあなた自身を観察できたとしたら、どんな様子でしょうか?肩に力が入り、呼吸は浅く、眉間に皺が寄って怖い顔をしています。次に、頭の中で言葉にしてみましょう。「私はイライラしている」と、「私は」を主語にして文章にするのです。そうすると、自分の感情を客観的に理解することができます。ここまできたら、あなた全体を占拠していたイライラは、あなたから離れ始めるでしょう。
氷:イライラを一つの氷の塊だとイメージしてみましょう。コップの中にある氷は放っておけば徐々に溶けていきます。だんだん小さくなっていく氷のように、あなたのイライラもずっとそのまま存在するわけではありません。ちゃんと消えて無くなっていくのです。無理に溶かそうと頑張る必要はありません。時が経てばあなたの感情は変化します。初めよりずいぶん氷は小さくなっているかも。と気づくだけでちょっと楽になりませんか?
親子ですから、お互いイライラする事があってもいいのです。毎日子育てを頑張っているあなた。時にはイライラしちゃう自分を許してあげてください。そして、つらく当たって後悔する前に、この3ステップをぜひ試してみてくださいね。
この記事を書いた人
医学博士 山下あきこ 株式会社マインドフルヘルス代表
医学博士、神経内科・内科医師。二児の母。病気を治すより、健康づくりを行うことを決心し、病院を辞めて会社を設立。マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という要素を軸にセミナーや本の執筆を行っている。