コラム 心のケア 支援・サポート

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無料で提供される学習支援について

NPO法人 田口吾郎

2015年に生活困窮者自立支援法が施行され、生活困窮世帯の子どもの学習支援事業が全国に広がりました。
福岡市では、学校・家庭以外の「居場所」が公的には提供されておらず、この事業は民間によって実施されています。事業の目的は、子どもたちが生まれ育った環境にとらわれず学習できることで、子どもたちが将来に希望をもって成長していけるよう支援することです。

1.学習支援の意義
経済的な事情により、子どもたちの教育環境は左右されます。無料の学習支援スペースでは、受験やテストという目的に対し、苦手な問題への取り組み方や、学習時間の設定などをサポートしていきます。講師とのコミュニケーションを通じて特定の期間、学習を支援して、子どもたちの自信を向上させることを目的としています。進学塾のように、テストや受験合格が最優先ではありません。

2.学習支援の種類
無料での学習支援にも様々な種類があります。これらの学習支援では、学校や家ではないところに安心安全な環境を用意し、適切なコミュニケーションが保証された学習目的の場を提供することが前提となります。
〇集団指導と個別指導
学校のように一人の先生が複数の生徒に指導を行うもの、一人の先生が一人の生徒に指導を行うものに分かれます。
〇オンライン形式
コロナ禍以降は、ZOOM等の通信機能を使用して、オンライン上で、集団、個別で指導を行うものも増えています。
〇多様に変化する学習支援
場所や目的によっても、学習支援は変化します。日本に来た外国籍の子どもたち、発達障がいの子どもたち、長期入院の子どもたち等を対象とした様々な種類の学習支援もあります。

この記事を書いた人

 

田口吾郎 NPO法人いるか理事長

 

一般社団法人全国子どもの貧困・教育支援団体協議会 理事
福岡県こども食堂ネットワーク 理事
子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば 評議員