2024.11.20
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元配偶者側の祖父母との親子交流の注意点は?
離婚後に、元配偶者とお子さんとの親子交流を行われている方は多くいらっしゃるでしょう。元配偶者側の祖父母と、お子さんとの親子交流については、どのような制度になっているのでしょうか。
1.親子交流とは
親子交流とは、子どもを養育・監護していない親(非監護親)が、定期的に子どもと直接会って話をしたり、電話や手紙等で交流したりすることを指します。子どもが非監護親と交流する機会を設けることで、子どもの健全な成長につながることから、重要な制度といえます。
親子交流の頻度や回数は様々ですが、一例としては、月に1回程度、公園やショッピングモールで遊んだり、夏休み等の長期休暇中には宿泊をしたりすることなどもあります。
【参考コラム】スムーズな親子交流を行うために
2.祖父母との親子交流も必要?
親子交流は民法に規定された制度ですが、法律上、親子交流は親と子どもとの関係を対象としているので、祖父母との親子交流は義務ではありません。つまり、元配偶者側の祖父母から親子交流を求められても、監護親はそれを拒否することができるということになります。
しかし、祖父母との交流も子どもの健全な成長につながることから、監護親の心情として祖父母との親子交流に抵抗がない場合や、子どもが祖父母に会いたがっている場合には、祖父母との親子交流を実施することが望ましいでしょう。
3.祖父母に子を会わせたくないときは?
元配偶者側の祖父母との親子交流を実施したくない場合は、どうしたら良いでしょうか。上記のとおり、祖父母との親子交流を必ずしも実施する必要はありませんので、抵抗がある場合には、断っても問題ありません。
その他にも、祖父母のみとの親子交流は避け、元配偶者との親子交流に同席(あるいは近くで見守り)してもらう、電話や手紙などの間接的な親子交流を行う、などの方法も考えられます。
4.祖父母に子を会わせる際に気を付けておきたい点は?
祖父母とお子さんの親子交流を実施する場合には、以下の点に気を付けると良いでしょう。
まず、お子さんの気持ちを尊重することです。それまで祖父母との交流が少なかったような場合には、突然、祖父母とのみの親子交流を実施すると、お子さんが戸惑ってしまいます。事前に祖父母について説明し、元配偶者や、場合によっては監護親も同席するなどして、お子さんが不安にならないように配慮しましょう。
そして、ルールを決めておくことも重要です。よくあるトラブルとしては、祖父母が孫に高額なお小遣いやプレゼントを与えてしまったり、監護親の悪口を言ってしまったりというものがあります。このような事態を避けるためには、事前に協議を行い、プレゼントの頻度や金額を決める、してほしくないことを伝える等をお勧めします。
親子交流は、子どもの健全な成長のために重要な制度であり、祖父母との親子交流も、子どもにとって意義深いものとなる可能性があります。ただし、祖父母との親子交流は義務ではありませんので、お子さまの意思を尊重しつつ、実施を検討するのが良いでしょう。親子交流に関してトラブルになった場合には、弁護士に相談することをお勧めします。
この記事を書いた人
弁護士 坂本志乃 弁護士法人Nexill&Partners (旧:弁護士法人菰田総合法律事務所)
福岡県福岡市出身。九州大学法科大学院修了後、2016年弁護士登録。同年に弁護士法人菰田総合法律事務所入所。入所当初から離婚や相続等の家事事件を中心に経験を積み、中小企業支援に業務分野を広げ、現在は企業労務に注力している。