体験談 子育てのこと ひとり親の生活

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男性のひとり親の仕事や子育て

40代 男性

中学、高校に通う3人の娘をもつシングルファザーです。約10年前、元妻と離婚して子どもたちを引き取りました。

仕事をしながらワンオペでの家事・育児は想像以上に大変なことでした。実家は他県にあるため、日常的に支援を求めることはできず、ほぼひとりですべてをこなす日々でした。子どもが幼い頃は、9時~18時の仕事をしていたのですが、終業時間まで働いていると保育園のお迎えに間に合いません。そこで17時に退社し、お迎えや家事を済ませてから自宅で1時間仕事をするという働き方を会社が認めてくれていました。私の仕事は忙しい反面、時間や場所を問わない職種だったので融通が利いたのだと思います。その後、独立して立ち上げた会社では、コロナ禍以前からリモートワークが中心だったので、子どもが体調を崩した時などに対応しやすかったです。

娘が成長するにつれ、だんだん現れてくるのが性差による悩みです。女性の体のことは男性の私にはわからないことも多く、本を買ったり、性教育の動画を見たりして勉強をするようにしていました。ただ、娘たちも多感な時期ですので父親にいろいろ言われるのも嫌かもしれないと思い、私の母にサポートを求めることもありました。

ひとり親のコミュニティに参加して周囲の方々に相談することもありました。その際に気を付けていたのは、ひとり親のコミュニティは女性の参加者が多いので、警戒心を抱かせないように立ち居振る舞うこと。男性のひとり親ならではの気苦労かもしれませんね。

また、ひとり親に対するサポートは、お金や時間について議論されることが多いですが、それと同様に「頭で何かを考える」という点についてもケアが必要だと感じています。仕事で頭を使ったあとに、あれもこれもと考えることが多すぎると、頭がパンクしてしまいます。なるべく頭の省エネを心がけ、“家族を愛するための余裕”をどう作るか、今後サポートすべきことだと思います。私もコロナ禍で仕事や家庭の不安から心身のバランスを崩したことをきっかけに、家事代行や引っ越しの荷造りなど便利なサービスを取り入れ、自分自身の時間を作ることを心がけるようになりました。毎日の夕飯の献立を考えることも大変だったので、今は調理するだけの便利なミールキットを取り入れています。娘たちは「面倒くさい」と言いながらも調理を手伝ってくれているので、将来独立した時にも役立つのではないかと思います。