2023.09.04
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離婚前に確認しておきたい保険の話
離婚をしようと決めたとき、ほとんどの人は、財産分与、養育費や慰謝料などについて考えはするものの、意外と保険のことは見落とされています。そこで、今回は離婚の前に確認しておきたい保険についてお話しします。
生命保険
解約返戻金の発生する生命保険は基本的に財産分与の対象となるため、解約してその返戻金を夫婦で分けることができます。しかし、全ての生命保険を解約してしまうと、離婚後の死亡や病気等への備えが全くなくなってしまいます。
そこで、保険契約を解約せず、契約者(と併せて受取人)の変更などの手続をして継続することを考えましょう。
学資保険
解約返戻金の発生する学資保険も基本的に生命保険と同様に財産分与の対象となります。もっとも、学資保険も解約してしまうと、今後の子どもの教育資金への備えがなくなりますので、離婚後に親権者になるであろう人としては、学資保険を継続し、契約者(と併せて受取人)の名義をご自分に変更することが考えられます。
損害保険
車や家を売却して財産分与するのではなく、どちらかが引続き使用する場合には、車や家の所有者と保険の名義人が異なる場合、保険金が受け取れなくなる可能性がありますので、これらも変更の手続きが必要です。
自動車保険は、①記名被保険者(車の主な運転者)、②契約者、③車両所有者を変更する必要があります。等級(保険料の割引や割増制度)は記名被保険者の配偶者または同居の親族でなければ引き継げないため、名義変更を忘れてしまうと、自動車保険に新規加入となってしまいます。
また、補償内容についても見直す必要があります。たとえば、夫婦限定の特約をつけている場合は本人限定にすることで保険料が安くなることも。車の使用目的を日常・レジャーで契約していたものの、離婚後は通勤に車を使用するようになったという場合は、車の使用目的を変更しておかなければ、使用目的が異なるとして保険金の支払いが遅れたり、支払われなかったりする可能性もあります。
火災保険は、保険が掛捨型か積立型かで手続きが異なりますので、まずは保険の型を確認する必要があります。また、離婚後の生活に合わせた保険契約の見直しを検討しましょう。
以上でお話した任意保険の各種変更方法や条件は保険会社によって異なります。離婚前にご自身又は配偶者の加入されている保険会社に問い合わせてみてください。
ファイナンシャルプランナーが教える離婚と保険の関係についてもご覧ください
この記事を書いた人
弁護士 坂本志乃 弁護士法人Nexill&Partners (旧:弁護士法人菰田総合法律事務所)
福岡県福岡市出身。九州大学法科大学院修了後、2016年弁護士登録。同年に弁護士法人菰田総合法律事務所入所。入所当初から離婚や相続等の家事事件を中心に経験を積み、中小企業支援に業務分野を広げ、現在は企業労務に注力している。