コラム 住まい ひとり親の生活

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ひとり親に対する住居支援や優遇措置ってあるの?

弁護士 坂本志乃

福岡市に住んでいるひとり親の場合、以下の住宅支援や優遇措置を活用することができます。

1.市営住宅(福岡市住宅供給公社)

「定期募集※1」で、ひとり親に対して抽選番号を多く割り振る抽選優遇制度を設けています。 また、ひとり親世帯の場合は「随時募集※2」の申込みが可能です。
注意点は、市営住宅に入居するためには、一定基準以下の所得であることが必要です。また、入居時の家賃も世帯所得によって算出されます。ひとり親の場合、この所得の算定の際に、ひとり親控除の適用を受けることができます。

※1「定期募集」…年4回、抽選で入居を決定する制度のこと
※2「随時募集」…ひとり親世帯、多子世帯、他回数落選世帯といった「対象世帯」の要件に複数該当する場合、随時申込みを受け付け、審査会の承認後、対象住宅に空き家が出た段階で、受付順で決定する制度のこと

2.県営住宅(福岡県住宅供給公社)

募集方法として「常時募集」、「抽選募集」、「ポイント方式募集」がありますが、「抽選募集」では、ひとり親世帯に対して2つの抽選番号(連番)を割り当てる制度があります。また、この制度とは別に、多数回落選優遇措置というのがありますが、ひとり親に該当する場合、通常(2つの抽選番号の割当て)よりも多い4つの抽選番号(連番)の割当てを受けることができます。

3.子育て世帯住替え助成事業

福岡市では、子育てしやすい良好な住宅への住替えを支援するため、経済的負担を軽くするために、新築以外の住宅購入費用や礼金、仲介手数料、引越費用等の一部を助成する事業を行っています。
助成額は、助成対象となる経費の合計額(消費税を含みます。)の2分の1で、上限が15万円となっています。
対象世帯の主な要件は、以下のとおりです。
・18歳以下のこどもがいるか妊娠中の世帯で、市内外の民間賃貸住宅等から市内の民間賃貸住宅や購入した新築以外の住宅への住替えを行うこと
・前年における世帯の政令月額が、259,000円以下であること

その他、転居後の住宅要件もあるので、詳細はお住いの区役所窓口などで確認してみてください。

この記事を書いた人

弁護士 坂本志乃 弁護士法人菰田総合法律事務所

 

福岡県福岡市出身。九州大学法科大学院修了後、2016年弁護士登録。同年に弁護士法人菰田総合法律事務所入所。入所当初から離婚や相続等の家事事件を中心に経験を積み、中小企業支援に業務分野を広げ、現在は企業労務に注力している。