コラム 子育てのこと 支援・サポート

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自分の子育てに自信をなくしそうなときは

医学博士 山下あきこ

“教えたがり”に注意⁉
「そんな寒そうな格好させたらダメよ!」「こんなものを食べさせてるの?」なんて、あなたが子育てを頑張っているのに、たまに会う人から軽々しく注意をされたら嫌な気持ちになりますよね。くやしくて、悲しくて、腹が立ち、もうしばらく会いたくない!と思うかもしれません。
自分のこと以上に、親は子どもの食べるもの、着るもの、環境に気を遣うものです。幸せになって欲しいと思うからこそ、身を削って育てています。周りの人は、そんなあなたの努力を知りません。生活の一部を知っているだけにすぎないのです。そして、たいして根拠のない昔の慣習を押し付けてきたり、誰かから聞いた健康法と照らし合わせ、あなたが間違っていると決めつけたりするのです。
注意されたことが気になるときは、それが本当なのか自分で調べてみましょう。小児科や子育て支援センターなどに確認してもいいと思います。子育ての慣習や常識は、時に間違っていることも珍しくありません。注意されて自分にがっかりしたり、そのまま鵜呑みにするのではなく、情報を集めて確認し、最後はあなた自身が判断しましょう。本当だったら自分の間違いがわかってラッキーですし、注意の内容が間違っていたらスルーしておけば良いのです。
親世代や、あなたの子どもより年齢が高い子どもを育てている友人などは、自分の方が子育ての先輩だと思い、教えてあげようとする事があります。実は人は誰でも「教えたがり」です。ある研究では、赤ちゃんでさえ「自分の方が知っている」という事を伝え優越感を得ようとするそうです。
教えたがる人は、「あなたのためを思って」親切心で伝えているつもりですが、実は本人の教えたがり欲求を満たしているだけなのかもしれません。「私の子どものためを思って注意してくれてありがとう!」と丁寧にお礼を言った上で、別の話に話題を変えてみてはいかがでしょう?
そして、あなたも将来、無意識に“教えたがり”になってしまわないよう、気をつけてみてください。

この記事を書いた人

医学博士 山下あきこ 株式会社マインドフルヘルス代表
 
医学博士、神経内科・内科医師。二児の母。病気を治すより、健康づくりを行うことを決心し、病院を辞めて会社を設立。マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という要素を軸にセミナーや本の執筆を行っている。