コラム 子育てのこと 仕事のこと

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仕事と子育てで休む暇がなく、心が折れそう。

医学博士 山下あきこ

仕事がやっと終わったら、こどもの送り迎えや夕食作り、家事・・・。夜寝るまでワンオペ仕事で動きっぱなし!気付いたら、体だけでなく心もぐったり疲れている。そんなことありませんか?
このとき起こっているのは、脳疲労です。

次はこれ、次はあれ、と忙しく追い立てられるように動いているとき、脳は戦うモードになっています。自律神経の中の、交感神経が活発になっている状態です。交感神経は、心拍を上げ、呼吸を速くし、体の筋肉にぎゅっと力が入る働きをします。要するに、緊張している状態なのです。当然体はフル稼働で疲れますが、同時にコルチゾールというホルモンが分泌されて、些細なことでも気持ちが落ち込みやすい状態になるのです。

こんなとき、自分を癒やそうとしてついやってしまいがちな間違いがあります。
それは、何かを夜中に食べること、お酒を飲むこと、動画を見ることです。

クッキー美味しい!強いお酒はスカッとする!YoutuberやVtuber面白い!という快楽は、一瞬疲れを忘れさせてくれるかもしれません。しかし、翌朝の疲れは倍増します。余計に脳が疲れることだからです。
もし心が折れそうだと思ったら、上記のことをする前にやってみて欲しいことがあります。

それは、誰かに話を聞いてもらうこと。夜遅く聞いてくれる人がいなければ、紙に書き出してみてください。「なんで私ばっかりこんなに忙しいんだろう!」「一人でゆっくりどこかに行ってみたいよー。」心に溜まったストレスを思いっきり書いたら、破って捨てていいのです。

人は話すこと、書くことで、自分の心にあるものを外に出すことができます。外に出してあげると、客観的になって冷静に今の自分を見つめることができます。

たくさんのことを毎日抱えているのですから、ネガティブな気持ちになっても、誰かを責めたい気持ちになってもいいのです。心が折れてしまうまで、抱え込まないで下さい。思いっきり言葉や文字にして吐き出したら、「よく頑張ってるね、私。」と心からつぶやいて、自分の二の腕や肩をハグしてあげましょう。
どんなに忙しくても、自分への思いやりだけは忘れないであげてくださいね。

この記事を書いた人

医学博士 山下あきこ 株式会社マインドフルヘルス代表
 
医学博士、神経内科・内科医師。二児の母。病気を治すより、健康づくりを行うことを決心し、病院を辞めて会社を設立。マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という要素を軸にセミナーや本の執筆を行っている。