体験談 心のケア 支援・サポート

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交通事故で亡くなった夫。辛い気持ちが消えることはありません

40代 女性

約7年前、夫を交通事故で亡くしました。夫と待ち合わせしている場所で、2人の子どもと一緒に待っていたのですが、なかなか姿が見えません。「どうしたんだろうね」と言いながら歩いて帰ろうとしたところ、交通事故が起きているのを知りました。まさかそこに夫が巻き込まれているとは…。突然の出来事を信じられずドラマを見ているような感覚だったことを覚えています。しばらくは亡くなった事実を受け止めることができず、ようやく去年くらいにもう生きて帰らないということを実感するようになりました。
当時、子どもは中学生と小学生でした。上の子は夫にべったりのパパっ子。それまではとても元気がよく、なんでもできる頼もしい子だったのですが、夫が亡くなったことを機に心のバランスを少し崩してしまいました。下の子は幼い頃に3年間ほど夫が単身赴任をしていたこともあり、少し距離がありましたが、一緒にバイクに乗ったりすることで仲を深めていた時期でした。子どもたちには夫のことを忘れないで欲しいと思っていたので、家の中では夫との明るい思い出をたくさん話すようにしていました。そのように家族で心を慰め合っていたのかもしれません。
私自身も突然の出来事に心がついていきませんでした。警察が行っている事故被害者家族のためのカウンセリングを毎月1回受け、先生と話をしていました。夫が亡くなったことを考えないようにするために固く閉じていた私の心の蓋を少しずつ開けてくれたことで、ようやく事実を受け止められるようになったのだと思います。また、子育てに悩んだりしたことで鬱の症状が現れ、通院して薬を服用しています。
夫はとても優しく、夫婦仲もよかったので、最初のうちはこの苦しみがいつまで続くのかと思うほど辛い日々でした。3回忌、7回忌と年を経るうちに心は少しずつ穏やかになり、帰ってこないということは理解できるようになりましたが、辛い思いはずっと消えません。同じような境遇の方が「10年経っても辛い気持ちは変わらない」と言っていたので、きっとそういうものなのでしょう。夫のことを忘れず、これからも家族で協力して暮らしていこうと思います。