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コラム 子育てのこと 健康

ページ番号:237

親子でチェック!健康習慣

医師 稲津佳世子

ひとり親として子育てと仕事を両立する毎日は、時間も気力も限られていて当然です。そんな中で「こどもの体調管理を完璧にしなければ」と思うと、心が疲れてしまいます。だからこそ、医師としてお伝えしたいのは、「忙しくてもできる、無理のない健康チェック習慣」が、こどもを守る大きな力になるということです。

 

「いつもどおりか」を確認

病気の早期発見は、特別な知識や道具がなくても可能です。朝は登校前の数分で、顔色や目の輝き、食欲の様子を見てみましょう。「いつも通りかどうか」を確認するだけで十分です。
体温測定が難しいときは、額や首筋に触れて熱っぽさを感じるだけでも構いません。夜は、帰宅後や寝る前に、疲れ具合や排便・排尿の様子、咳や呼吸音などをさりげなく見てあげてください。肌の乾燥や唇の荒れ、目の充血なども、体調の変化を示すサインです。

こどもは体調が悪くても言葉でうまく伝えられないことがあります。だからこそ、「いつもと違う」行動や表情に気づくことが大切です。甘えが強くなったり、逆に静かすぎるときは、心や体に何か起きているかもしれません。
どんなに小さくても子供は親に心配をかけないように気を使っているもので直接症状を訴えない事もあります。一緒にお風呂に入って身体を観察することも、いじめ等の早期発見につながることもあります。

こどもを守るためにも、あなた自身も大切に

こうした観察を記録に残すことで、変化に気づきやすくなります。スマートフォンのメモ機能やカレンダーに一言だけ書き留めるだけでも十分です。こどもと一緒に「今日の元気度」を顔マークやシールで記録することも、楽しく続けられる工夫です。週末にまとめて振り返ることで、体調の波や傾向が見えてきます。

医師として診察する際、「いつから症状が出ているか」という情報はとても重要です。日々の記録があると、診断や治療の助けになります。

そして何より、あなた自身の体調も大切です。こどもを守るには、まず親が倒れないこと。「今日は疲れているから、最低限だけでいい」と割り切ることも立派な判断です。完璧を目指す必要はありません。親子で「今日の元気どうだった?」と話す時間を少しだけでも持つようにすれば、体調だけでなく心の変化にも気づけるようになります。

忙しい毎日の中でほんの数分の習慣が、こどもを守り、親自身の安心にもつながります。あなたの頑張りは、確実にこどもの健康を支えています。

 

この記事を書いた人

医師 稲津 佳世子

九州大学医学部卒。精神保健指定医、日医認定産業医。特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡理事。BPW(ビジネスプロフェッショナルウーマン)福岡クラブ「福岡虹の会」会員。
心療内科医として一般内科や緩和ケア病棟、空港検疫所で勤務。医療政策経営管理大学院を経て、大学講師の後、在宅訪問診療クリニックの院長に。精神科病院勤務を経て、現在は介護施設の施設長として高齢者の身体管理等に従事。人生全体を見渡す臨床経験と自らの離婚体験もあり、ひとり親のメンタルケアに携わっている。