コラム 子育てのこと 支援・サポート

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子どもが精神的に不安定(発達障害の疑いも)

医学博士 山下あきこ

お子さんが大声で長い時間泣き続けたり、暴れたり、お友達に乱暴な態度を取ったりと、親にとって困った行動が続くと、どのように対応すべきか戸惑うかもしれません。
「うちの子は他の子と何かが違うかもしれない」「もしかしたら、発達障害なのかもしれない」といった不安や疑問が頭をよぎることもあるでしょう。もし発達障害だった場合、普通のクラスに入れる? 将来どんな大人になっていくの?など、考えれば考えるほど不安は膨らむと思います。
そんな時、「まさかうちの子に限って発達障害であるはずがない」とか、「個性の一つだろう」と思って問題から目を逸らしてしまうことがあります。家族や友人に相談すると「きっと大丈夫よ、誰でもそんなところがあるわよ」などど、なぐさめてくれるかもしれません。しかし、その人たちは専門家なのでしょうか?あなたの心を楽にするために優しい言葉をかけてくれているだけかもしれませんし、起こっている問題について理解していない可能性があります。もし子どもの行動で困っていて不安に思うことがあるなら、早めに専門機関に相談してみることをお勧めします。
 大切なのは正常か異常かということを診断することではありません。子どもが精神的に安定するためにはどんな対処法があるのかを知ることです。一人一人状態や性格は違うので、本を読んだりネットの情報を見たりしても、その情報がその子にとって適切な方法かどうかを判断することは困難です。専門家はたくさんの子ども達を見て、適切な対処法を見つける手助けをしてくれます。
 どの専門機関に相談すればいいのか迷ったときは、まずは保健センターに相談してみるとよいでしょう。子育て支援センター、児童相談所、発達障害者支援センターなどでも相談できます。医療機関であれば、児童精神科が適切です。発達障害は得意と不得意という凸凹が大きい状態です。発達障害の方の中には、凸を活かして人の役に立つ充実した人生を送っている人がたくさんいます。凸を見つけたら大いに伸ばしてあげましょう。凹については、そのままにしていると困ることもあるかもしれません。社会のなかで暮らしやすくなるように、専門家の知恵を借りながら対処法を身につける手助けをしてあげましょう。

この記事を書いた人

医学博士 山下あきこ 株式会社マインドフルヘルス代表
 
医学博士、神経内科・内科医師。二児の母。病気を治すより、健康づくりを行うことを決心し、病院を辞めて会社を設立。マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という要素を軸にセミナーや本の執筆を行っている。