2025.01.29
ページ番号:215
短時間でできるメンタルヘルスのケア方法
ひとり親としての生活は、多くの責任とストレスを伴います。ここでは、お金をかけず短時間でできるメンタルヘルスケアの方法をいくつか提案します。
1.深呼吸とリラクゼーション
まず、深呼吸は最も簡単で効果的なリラクゼーションです。深くゆっくりと息を吸い込み、数秒間息を止めてからゆっくりと息を吐き出します。これを数回繰り返すことで心拍数が落ち着き、ストレスホルモンが減少します。ゆったりとした音楽を聴きながら行うのもお勧めです。
2.短い運動
運動はストレスを軽減するための有効な方法です。例えば10分間のウォーキングやストレッチ、軽いヨガなど短時間でできる運動を日常生活に取り入れてみましょう。掃除や洗濯物を干すときにリズミカルに身体を動かすだけでも運動です。これにより、エンドルフィンやセロトニンという幸福感をもたらすホルモンが分泌され、気分がリフレッシュされます。
3.マインドフルネス
マインドフルネスとは、「今、ここ」の瞬間に集中することです。忙しい生活の中で、少しの時間でも自分自身に意識を向けることで、心の安定を図ることができます。例えば、朝のコーヒーを飲むときはその香りや味に意識を集中する、歩くときに足の感覚に集中するなど、日常の中で簡単に取り入れることができます。
4.感謝の気持ちを持つ
毎日、寝る前にその日感謝したこと、良かった事を3つ書き出す習慣をつけると、ポジティブな思考が養われます。感謝の気持ちはネガティブな感情を和らげ、幸福感を増す効果があります。
5.コミュニケーション
誰かと話すことで、気持ちを共有できたり、新たな気付きも起こります。サポートを受けやすくなるかもしれません。特に同じような境遇の人と交流すると、共感と励ましを得やすいでしょう。オンラインやサポートグループを探して参加してみてはいかがでしょうか。
6.好きなことリストの作成
自分が好きなことや興味があることを100個リストに書き出してみましょう。例えば、お茶を飲む、空を見る、映画を見る、趣味の手芸をするなど、簡単に実行できる小さな活動を沢山みつけましょう。小さな楽しみでも沢山あることに気が付くだけでも、明るい気持ちになるでしょう。
小さなストレスケアを日常に取り入れて、忙しい生活の中でも自分自身を大切にしてくださいね。幸せは小さなことの積み重ねです。
この記事を書いた人
医師 稲津 佳世子
九州大学医学部卒。精神保健指定医、日医認定産業医。特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡理事。BPW(ビジネスプロフェッショナルウーマン)福岡クラブ「福岡虹の会」会員。
心療内科医として一般内科や緩和ケア病棟、空港検疫所で勤務。医療政策経営管理大学院を経て、大学講師の後、在宅訪問診療クリニックの院長に。精神科病院勤務を経て、現在は介護施設の施設長として高齢者の身体管理等に従事。人生全体を見渡す臨床経験と自らの離婚体験もあり、ひとり親のメンタルケアに携わっている。