2023.03.03
ページ番号:112
反抗期のこども 一人でどうしたらいいか分からない
そもそも「反抗する」というのは、何かに抵抗するということです。抵抗する必要がなければ、反抗する必要もないのです。では、何に対して抵抗しているのでしょうか?あなたのお子さんが反抗するのはどんなときですか?具体的なワンシーンを思い浮かべてみましょう。
例えばこんな感じです。
お子さんが自分の部屋で机に向かって何かしています。毎晩寝るのも起きるのも遅いので、後ろから声をかけました。
「早く寝たら?もう1時よ。最近ずっと朝遅いんだから・・・」
「うるせぇな。やることがあるんだよ。」
心配して声をかけたのに、腹が立ちますね。
では、お子さんになってお子さんの椅子に座ったつもりになってみましょう。早く寝ないといけないと思いつつ、明日の用事のためにパソコンで何かを調べています。すると、後ろからあなたの声が突然聞こえてきました。どんな気持ちでしょうか?
イラッとしますか?
私たち親は、小さな頃は素直にこどもが言うことを聞いてくれたので、その感覚でこどもに上から物を言うのが当たり前になっているかもしれません。
幼い頃は大人が導くことで安心して行動できたけれど、成長すると自分の意思で行動を選ぶようになります。
いつまで経っても親の目線から何かを言われていると、「導いてくれている」のではなく「押し付けられた」と感じます。
こちらの言う通りに行動してほしいという親の思いは一旦脇に置きましょう。なぜこどもがそのような行動をとっているのか、目を閉じてお子さんになりきったつもりでイメージし、理解することから始めてみましょう。反抗的な態度をとられたあの日あのとき、お子さんはどんな気持ちだったのか、想像できますか?
反抗期の対処に、ひとり親もふたり親も関係ありません。暴れる馬を二人で押さえつけるわけではなく、1対1の人間の対話と、理解しようという思いやりがあれば押し付けることがないので、「反抗される」と言う概念自体がなくなります。もしもお子さんが危険な方向や間違った場所に向かって進んでいると思ったら、「私はこう思うよ」と、「私は」を主語にして話をしてみましょう。「あなたはこうすべき」と言うのは押し付けで、「私はこう思う」と言うのは意見です。
理解しようと言う気持ちによってあなたにお子さんの苦しみが伝わり、お子さんにもあなたの言いたいことが伝わるはずです。
この記事を書いた人
医学博士 山下あきこ 株式会社マインドフルヘルス代表
医学博士、神経内科・内科医師。二児の母。病気を治すより、健康づくりを行うことを決心し、病院を辞めて会社を設立。マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という要素を軸にセミナーや本の執筆を行っている。