2026.02.04
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受診すべきか迷ったときは
こどもが急に体調を崩したとき、「病院に連れて行くべきか」「救急車を呼ぶべきか」「もう少し様子を見ていいのか」と迷うことは、親にとって非常に大きな不安です。特にひとり親家庭では、判断を一人で背負うことになり、精神的な負担も大きくなりがちです。
「こどもを守る最善の行動」のために
医師としてお伝えしたいのは、「迷ったら相談する」「命に関わるかもしれないと感じたら迷わず救急要請する」ことが、こどもを守る最善の行動だということです。
迷わず救急車を呼ぶべきなのは、大量の出血がある、意識がない、呼びかけに反応しない、呼吸が苦しそう、唇が紫色になっている、けいれんが止まらない、激しい腹痛や嘔吐が続く、水分がまったく取れない、などがあれば、すぐに119番通報してください。これらは命に関わる可能性があり、ためらう必要はありません。
特に「けいれん」は、初めて見るととても驚くかもしれませんが、冷静な対応が重要です。けいれんが始まったら、まず「何時何分に始まったか」を確認し、持続時間を測ってください。5分以上続く場合は、救急要請が必要です。また、けいれんの様子をスマートフォンで動画撮影しておくと、受診時に医師が正確に状態を把握しやすくなります。動画は数十秒で構いません。安全を確保したうえで、無理のない範囲で記録してください。
そして何より重要なのは、けいれん時に「こどもの口に指や物を入れない」ことです。これは窒息や歯の損傷、指のけがにつながる危険な行為です。けいれん中は、横向きに寝かせて周囲の安全を確保し、静かに見守ることが基本です。呼吸ができているかを確認しながら、落ち着いて対応しましょう。
「いつもと違う」と感じたときには
一方で、発熱や腹痛など症状が軽くてもこどもの様子が「いつもと違う」と感じたときは、まず電話相談を活用しましょう。全国共通の「#8000(こども医療電話相談)」では、夜間や休日(平日:19時から翌朝7時、土曜:12時から翌朝7時、日祝:7時から翌朝7時)に小児科の看護師や医師が対応し、受診の必要性や家庭での対応方法を教えてくれます。電話一本で専門家の意見が聞けるという安心感は、ひとりで判断を迫られる親にとって大きな支えになるでしょう。最寄りの医療機関をお探しの場合は、「♯7119(救急医療電話相談)」で案内を受けられます(24時間受付)。
また、「こどもの救急(ONLINE-QQ)」というウェブサイトでは、生後1か月〜6歳のこどもを対象に、症状に応じた受診の目安を確認できます。スマートフォンからも利用でき、短時間で判断材料を得られる心強いツールです。
「自分の判断で間違えたらどうしよう」と不安になるのは当然です。だからこそ、相談窓口を活用し、「ひとりで抱え込まない」ことが大切です。電話やオンラインで気軽に医療のプロに頼る仕組みがありますので、迷ったときは遠慮せず、一歩を踏み出してください。
子どもの急な病気に困ったら・・・小児救急医療電話相談(#8000)
この記事を書いた人
医師 稲津 佳世子
九州大学医学部卒。精神保健指定医、日医認定産業医。特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡理事。BPW(ビジネスプロフェッショナルウーマン)福岡クラブ「福岡虹の会」会員。
心療内科医として一般内科や緩和ケア病棟、空港検疫所で勤務。医療政策経営管理大学院を経て、大学講師の後、在宅訪問診療クリニックの院長に。精神科病院勤務を経て、現在は介護施設の施設長として高齢者の身体管理等に従事。人生全体を見渡す臨床経験と自らの離婚体験もあり、ひとり親のメンタルケアに携わっている。


